電流の測定

家庭用の100 V電源のプラグから流れる電流を測定をしたくなったときに、 直接100 Vを自作の測定回路等に入れたくない人もいるだろう。 ここでは電流測定用クランプ(カレントトランス)を使った電流測定の方法を紹介する。




電流センサーの準備


今回はCTセンサーを使って電流値を測定する。
クランプの間はコンセントから伸びている線を二本に割いて片方のみを通す。 ここで両方通してしまうと、このCTセンサーは電流により生じる磁界の変化を電圧として取り出すものなので、 行きと帰りの電流で打ち消しあって正確に測定できない。
今回のCTセンサーは、データシートによると10 Ωを接続して使うことで電流値を電圧値として線形的な関係で計算できる。
得られた電圧の時間波形を写真1に示す。

ct_sensor_voltage
写真1 電圧値の変動

アナログ・デジタル変換


CTセンサーの電圧値はマルチメーター等でも測定できるが、 測定値を自動的に記録したいとなると電圧値のような連続したアナログ信号を、 数値としてのデジタル信号に変換する(AD変換)必要がある。
そこで今回はArduinoにあるアナログ入力を使ってAD変換をする。
Arduino unoには5つのアナログ入力があるが、 今回はそのうち図1のように2つA0, A1にCTセンサーからの電圧を入力する。 CTセンサーからの電圧は0 Vを中心に+/-に振れるのでDC3.3をR2,3で分圧してCTからの交流電圧が3.3/2=1.65 Vを中心として振れるようにした。 C1はCTからの交流信号のみがGNDに落ちるようなハイパスフィルターになっている。

ct_sensor_circuit
図1 電流センサー回路図