CERNが開発しているモンテカルロ法にて物質中の粒子(素粒子、核子、等)の飛跡、物質に落とすエネルギーをシミュレーションするためのフレームワーク。 素粒子物理の人間だけではなく、医療とかでも使われているらしい。
参考: Installation Guide
シミュレーション結果を表示するために前提となるパッケージを入れる必要がある。
例えば、Qt, OpenGL等。ここではQtを使う。
macなら
$ brew install qt@5
linux(debian)なら、
$ sudo apt qtbase5-dev qtchooser qt5-qmake qtbase5-dev-tools
でインストールする。
次にmacなら以下を.bashrcまたは.zshrcに追加する。
$ export PATH="<qt@5/binのパス (homebrewでinstallするとメッセージに書いてある)>:$PATH"
$ export PKG_CONFIG_PATH="<qt@5/lib/pkgconfigのパス (同上)>:$PKG_CONFIG_PATH"
まずは、Geant4のソースを公式から取ってくる。
$ cd ~
$ wget https://geant4-data.web.cern.ch/releases/geant4-v<バージョン>.tar.gz
次に、Geant4をビルドするための場所に行ってダウンロードしたtarファイルを解凍。ここでは/usr/local/srcでビルド、インストールをする。
$ cd /usr/local/src
$ sudo tar zxvf ~/geant4-v<バージョン>.tar.gz
ls
するとgeant4-v<バージョン>というディレクトリができていて、その中にgeant4の素が入っている。
次に、同じ階層(/usr/local/src)に新しくgeant4をビルドするためのディレクトリを作って中に入る。
$ cd /usr/local/src #元々ここにいる場合はいらない
$ sudo mkdir geant4-v<バージョン>-build
$ cd geant4-v<バージョン>-build
これで、ビルドする環境は整ったのでビルドしていく。cmake、make等のコンパイラは前提として入れておかないとここからの作業はできないので注意。
cmakeで-Dに続くパラメーターに必要なビルド条件を指定していく。
例えば、CMAKE_INSTALL_PREFIXは=に続くパスにGeant4の実行環境をインストールする(インストール先)、
GEANT4_INSTALL_DATAはGeant4のデフォルトで入っている物理データをインストールするかどうか、
GEANT4_USE_QTはシミュレーション結果をQTを使って表示するという意味。
$ sudo cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr/local/src/geant4-v<バージョン>-install -DGEANT4_INSTALL_DATA=ON -DGEANT4_USE_QT=ON /usr/local/src/geant4-v11.0.3
問題がなければ、
-- Configuring done
-- Generating done
-- Build files have been written to: /usr/local/src/geant4-v<バージョン>-build
が表示される。
ここまで問題なければ、makeでsourceをコンパイルする(時間は数十分ほどかかる)。 -jオプションでコア数を指定すると早くなるらしい(4コアなら-j4)。
$ sudo make -j4
途中でエラーが出なければ、installを行う。
$ sudo make install
これで、無事Geant4がインストールできたがこのままでは使えないので、bashなら~/.bashrc, zshなら~/.zshrcに以下を追記する。
pushd /usr/local/src/geant4-v<バージョン>-install/bin >/dev/null
source geant4.sh
cd - > /dev/null