LaTeXでの文書作成の流れ

LaTeXで文書を作る際の流れと、 よく使うコマンドをまとめた。ここではLuaLaTeXの場合をまとめた。




文書の種類


LuaLaTeXの日本語環境では以下の文書の種類が使える。

これらをのどれかを指定して、LaTeXを書き始める必要がある。

例えば、ltjsarticleなら

\documentclass[10pt,a4paper]{ltjsarticle}

ここで[]の中の10ptは本文の文字の大きさを表して、a4paperは紙の大きさを指定している。
platex等ではdvipdfmxを指定しないといけなかったが、luatex系では必要ない。

基本的な構造


\documentclass[文字大きさ、紙の大きさ等]{文書の種類}
\usepackage{luatexja}
% ここはコメントになる

\usepackage{amsmath} % 数式表示用に必要なパッケージ

\title{本、論文等のタイトル}
\author{著者名}
\date{日付}

\begin{document}

\maketitle % タイトルを追加、環境によってはタイトルページ追加
\tableofcontents % 目次を追加、自分で作った章組みを自動的に読み込んで作ってくれる。

ここに本文を書く。見出しは、
\chapter{章のタイトル}
章の本文
\section{節のタイトル}
節の本文
\subsection{小節のタイトル}
小節の本文
\subsubsection{小々節のタイトル}
小々節の本文\\ %二重のバックスラッシュで改行
行中に数式を埋め込む場合は$$で囲む。
例えば$f(x)\ =\ \sin{\theta}$、ここでスペースは\+スペースで表す。
\end{document} %ここまで

文書の環境


LaTeXでよく使う文書環境を集めた。これらは基本的に\begin{環境}\end{環境}で囲む。

箇条書き(番号なし)

\begin{itemize}
  \item 項目1
  \item 項目2
  \item 項目3
\end{itemize}

出力結果

箇条書き(番号あり)

\begin{enumerate}
  \item 項目1
  \item 項目2
  \item 項目3
\end{enumerate}

出力結果

  1. 項目1
  2. 項目2
  3. 項目3

数式(1行のみ、番号付き)

\begin{equation}
  f(x)\ =\ \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp \left\{-\frac{(x\ -\ x_0)^2}{2\sigma^2}\right\}
\end{equation}

出力結果

\begin{equation} f(x)\ =\ \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp \left\{-\frac{(x\ -\ x_0)^2}{2\sigma^2}\right\} \end{equation}

数式(複数行、番号付き)

\begin{align}
  f(x)\ &=\ \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp \left\{-\frac{(x\ -\ x_0)^2}{2\sigma^2}\right\}\\
  g(x)\ &=\ \frac{1}{\pi}\frac{\gamma}{(x\ -\ x_0)^2+\gamma^2}
\end{align}

出力結果

\begin{align} f(x)\ &=\ \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp \left\{-\frac{(x\ -\ x_0)^2}{2\sigma^2}\right\}\\ g(x)\ &=\ \frac{1}{\pi}\frac{\gamma}{(x\ -\ x_0)^2+\gamma^2} \end{align}

コマンド集


\LaTeXでは特殊記号、演算子を使うときにはバックスラッシュをつけて書くことが多い。 ギリシャ文字は\alpha, \beta, \gammaのようにバックスラッシュに続けてギリシャ文字の名前で良い。

上付き、下付き

\LaTeXでは上付き、下付きはそれぞれ^と_で表す。

上付き

e^{x}

出力結果

\[e^{x}\]

下付き

a_{i}

出力結果

\[a_{i}\]

無限

無限はinftyで表示

\infty

出力結果

\[\infty\]

分数

分数はfracを使うと、二段になって表示される。

\frac{分子}{分母}

出力結果

\[\frac{分子}{分母}\]

総和

シグマを使った総和の表し方はsumを使い、シグマの上下は上付き下付きで表す。

\sum_{i=0}^{\infty}

出力結果

\[\sum_{i=0}^{\infty}\]

積分

積分記号はintで重積分はインテグラルの数だけiを増やす。周回積分はointでできる。 定積分の場合はシグマと同じく上付き下付きで表現する。

定積分

\int_{a}^{b}f(x)\ dx

出力結果

\[\int_{a}^{b}f(x)\ dx\]

重積分

\iint f(x,y)\ dxdy

出力結果

\[\iint f(x,y)\ dxdy\]

周回積分

\oint_{a}^{b}f(x)\ dx

出力結果

\[\oint_{a}^{b}f(x)\ dx\]

執筆中